いろいろと見所のあるリーグ戦だった。私が一番興味を持ったのは、2試合目の3点先制したあとに後半に1点返された場面だ。リーグ戦なので得失点差も影響するため、このまま守りきって試合を終わらせるか、現時点で得失点差は0なのでもう1点取りに行くか判断しなければならなかった。リーグ戦でなくても失点したら、なぜ失点したのか、もう失点しないようにするにはどうしたらいいか、リスクを冒してでも得点しにいくかなどを考えなければならないもっとも重要な局面となる。こんなときにつまらない精神論的なかけ声は私は不要と思っている。下をむくなーなどと一言二言行ってもかまわないが、それより重要なことはこの後どうするか考えることである。失点した後が一番考えなくてはならない重要な時間なのだ。
そもそも私は精神論的なかけ声が好きではない。サッカーは気合いや根性よりも状況判断や戦略などが非常に重要なスポーツだ。もちろん体力的な限界がきてもプレーをし続けることなどには気合いとか根性とかが必要だが、それは練習で養っておくことで、試合のときに声をかけられなければ気合いがはいらないような選手はそもそもピッチに立つべきではない。考えてみてくれ。たとえば学校で試験をうけるときに試験中に「いい点とるぞー」とか「いい成績とるぞー」なんてことを思ったりする時間はないだろう。試験の問題を解くことについて考えないといい結果は得られないのはあきらかだ。サッカーもよく考えることが重要で、特に失点した時は大きな問題を出されたようなものなのだ。なぜ失点したか、この後どうするか。くだらない精神論だけでは解決できるはずがない。
こんなことはプロとか代表などのレベルの高いチームが考えることなどとは思ってはいけない。どんなレベルであれ、知性や戦略はとても重要なことなので、常に頭をつかって試合を行ってほしい。特に守備に関しては相手がボールをもっているので、まったくの初心者でも、たとえばリフティングが100回できなくても、華麗な抜き技ができなくても、極端にいえばキックができなくても、守備の仕方や方法や原理や理論をしっていれば、あとは体力や身体能力だけでできるのだ。普段の練習のときから常に考えて練習をしてほしい。
練習というのは試合の局面や状況を単純化して反復練習し、スキルや判断力などを養うためのものである。ひとつひとつのプレーの原理や理論を深く理解して試合に役立てるようにしよう。
と、まあ、こんなことを子供達に話したいのですが、めったに話す機会はないので、ここで全世界に向かって話してみました。