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捜天

  今年8月に一眼デジカメを購入以来、庭で天体写真を撮っている。最初はおもしろ半分で見栄えのよい写真が撮れればいいなと思っていたのだが、すぐに目的は変わった。とても簡単に良く写るので子供の頃からの夢だった彗星などの未知の天体の発見の可能性があるかもしれないと思ったのだ。

  現在は人工衛星やプロの天文台の組織的な捜天によってアマチュアが新天体を発見する可能性はかなり低くなっている。また、自宅で撮影できるのは15等程度までであり、撮影できる範囲も限られている。ほとんど無駄な努力といっても過言ではないような状況ではあるが、まったく可能性がないとは言えない。実際にデジカメで新星を発見した人もいるし、45センチのドブソニアンや15センチの双眼鏡などで現在も眼視で捜天している人もいる。また、赤道儀に載せた50センチクラスの望遠鏡とCCDカメラで銀河を撮影し新星を次々に発見している人もいる。

  私が出来るのは、望遠レンズと一眼デジカメによる写真による捜天か40センチドブソニアンによる眼視による捜天である。うちの庭では、写真による捜天で15等程度まで、眼視では13等程度まで観察することができる。太陽の近くの彗星は人工衛星による観測により、アマチュアが発見できる可能性はほとんどない。太陽から離れている増光前の暗い彗星を狙うしかない。もう少し大きな望遠鏡による写真撮影で暗い彗星を狙うことも考えられるが、そうすると一枚の写真の範囲はかなり狭くなり、非常に多くの写真を撮影しなければならないし、また撮った後のチェックにも非常に時間がかかり、昼間に仕事をしないといけない人にとっては現実的に不可能な方法だ。そこで望遠レンズによる捜天がベストであると考えたのだ。

  Ninja400による眼視捜天は、視野1°程度で行えば、発見できる等級はかなり落ちるが、かなり効率的な捜天ができると思う。写真撮影を完全に自動化できれば、撮影中に眼視による捜天もできる。しかし、撮影の完全自動化は現在の機材では困難だ。将来的にはそうしたいと思っている。以前、自動導入装置みたいなものに頼るなと書いたが、眼視による捜天を行う場合はとても有効なツールとなる。Ninjaにスーパーナビゲーターをつけて捜天を行うことも考えてはいる。しかし、庭から見られる空は絶望的に明るいため、現在は写真による捜天のみを考えている。

  8月にデジカメを購入以来、もっとも効率のいい撮影方法、撮影機材の設置や撤収の方法、画像チェックの方法などを試行錯誤してきたが、いまだに最善の方法はわからない。しかし、こういったことを考えて実験を繰り返すのはとても楽しかった。仮に今できるベストの方法を確立したとしても新天体を発見できる可能性はほとんどないと思うが、捜天をはじめる前と後では充実感がまったく違う。捜天をしている限り、新天体を発見できる可能性は限りなくゼロに近いがゼロではない。今回のホームズ彗星のように突然増光する彗星があるかもしれないし、突発的な超新星があるかもしれない。そんな夢を追うのもなかなか楽しいのである。ただ、好きなときに好きなように星を見ていればよかった頃と違って、気分がのらないときでも捜天しないといけないような義務感を感じ、雲がちょっと出ているとか月が大きすぎるとか、なにかと理由をつけて捜天をさぼる自分を発見したりして、これじゃ百年かかっても新発見なんかできないなあなどと反省することの多い今日この頃である。
Commented by 煌星 at 2007-12-23 23:33 x
新星捜天はtakabogeoさんにまかせ、月面はドブさんに任せたら、私は何をしようか悩みます。やはり長焦点を利用して銀河を撮るしかないようですね。
Commented by takabogeo at 2007-12-24 00:15
煌星さんの場合は、銀河をたくさん撮ってDSS画像やそれまでに撮った画像と比較して超新星を捜すのがいいと思いますよ。
by takabogeo | 2007-12-23 17:25 | 天文 | Comments(2)

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by takabogeo
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