ジムに説明を受けたときはObsidianの発音がよくわからず、ふんふんと聞き流していたのだが、後で辞書を引くとObsidianは黒曜石であることがわかった。真っ黒なマーブルバナナは特に貴重なもので、現地の人は「ライオンの心臓」あるいは「ライオンの魂」といった意味の「ソウワツジ」と呼んでいるそうだ。マーブルバナナは比較的多くなるのだそうだが、猿や鳥に食べられてしまい、人が口にすることはめったにない。さらにオブシディアンバナナとなると現地の人でさえほとんど見たことすらないらしい。古来、不老不死の薬として部族の長しか食べることを許されず、かってに食べると石打刑などによって処刑されたという。
なるほど世界にはいろんな食べ物があるものだと感心して聞き入っていたら、ジムがこれがそうだといって小さくて真っ黒なバナナを差し出した。まさにオブシディアンバナナであった。手に取ってみると、かなり軽い。表面はやや硬いが内部は弾力性があるようだった。ゼリービーンズに少し似ている。
さて、その味は・・・・・残念ながら記憶がない。そこで夢から覚めたからである。